産後ケアを“教える力”に変える。研究に基づく骨盤エクササイズ指導の始め方

(画像はご利用される骨盤エクササイズイベントのイメージです。
本文記事とは関係ありません。)
産後は、体の感覚が変わるだけでなく、
生活リズム・睡眠・抱っこ負荷で「自分のケア」が
後回しになりがちです。
その一方で、同じ悩みを抱えるママは身近にたくさんいます。
この記事では、産後の体に関する研究知見を踏まえながら、
骨盤エクササイズを安全に・現実的に伝えられる
「指導者(インストラクター)」という選択肢について解説します。
骨盤エクササイズインストラクター養成講座の詳細を見る
1)産後に起こりやすい「骨盤まわりの不調」は珍しくない
妊娠・出産の時期は、骨盤まわりの筋骨格系トラブルが
起こりやすいことが報告されています。
たとえば、妊娠・産後にみられる骨盤帯痛(pelvic girdle pain)は
多くの研究で扱われており、レビューでは妊娠中の有病率に幅が
あるものの、産後にも一定割合で症状が続く可能性が示されています。
参考:妊娠〜産後の骨盤帯痛についての概説(研究レビュー)
BMC Musculoskeletal Disorders:Pelvic girdle pain in pregnancy and early postpartum(2024)
ここで大切なのは、産後の体の変化を「気合いで何とかする」ではなく、
体に合った“運動習慣”として整える方向に舵を切ることです。
2)「骨盤底筋トレーニング)」は女性の尿失禁に対する推奨度が高い
産後は、骨盤底筋のコンディションが気になる方も
多いテーマです。
骨盤底筋トレーニング(PFMT)は、女性の尿失禁に対して
広く研究されており、Cochraneレビューでも
治療選択肢として扱われています。
参考(Cochraneレビュー):
Cochrane:Comparisons of approaches to pelvic floor muscle training for urinary incontinence(更新:2024)
また、PFMTにバイオフィードバック等を追加する
アプローチについても検討が進んでいます
(効果は一律ではない点も含め、エビデンスの読み方が重要です)。
参考:
Cochrane:PFMT with feedback/biofeedback(2025)
指導者として大切なのは「万能の方法」を語ることではなく、
「無理なく続けられる形に落とす」
「違和感がある場合は医療につなぐ」という判断軸を持つことです。
3)産後の運動は“ゼロか100か”ではない:国際・専門機関の指針
産後の運動は、体調や分娩状況によって個人差があります。
そのうえで、国際機関や産婦人科領域の指針では、
禁忌がなければ妊娠中?産後も身体活動を推奨する流れが明確です。
- WHO(2020)は、妊娠中・産後の女性に対して、座位時間を減らし、可能な範囲で身体活動を行うことを推奨しています。
参考:
WHO Guidelines on physical activity and sedentary behaviour(2020) - ACOG(米国産婦人科学会)も、妊娠中?産後の身体活動について臨床ガイダンスを提示しています。
参考:
ACOG:Physical Activity and Exercise During Pregnancy and the Postpartum Period(2020)
現場で役立つポイントはシンプルです。
「短時間でもOK」「軽いところから」
「継続できる強度」に落とすこと。
インストラクターは、
まさにこの“翻訳”が得意な役割です。
4)インストラクターが提供する価値は「施術」ではなく「再現できる習慣」
整体・医療と、運動指導は役割が異なります。
骨盤エクササイズ指導者の強みは、
家庭で再現できる小さな運動習慣を設計し、
続く形に整えることです。
よくある“つまずき”を先に潰せるのが強い
- 「毎日やる」が続かない → 週2回×10分に落とす
- フォームが不安 → “感覚の目安”と言語化する
- 子どもがいて中断 → 中断前提のメニューにする
つまり、教えるのは「根性」ではなく設計です。
5)講座で学べること
- 事前:骨盤の基礎理論(動画)で理解を作る
- 当日:実技で「教え方」を体で覚える
- 修了課題で再現性を固める
特長は、知識だけで終わらず、
「実技」+「提出」で“人に伝える形”に落とし込める点です。
6)専門性を上げる「安全設計」:指導者が必ず持つべき3つの線引き
信頼されるインストラクターほど、
線引きが明確です。
(1)痛みの強さ・しびれ・発熱などは「運動で様子見」にしない
強い症状や不安がある場合は医療機関へ。
これは優しさではなく安全管理です。
(2)“改善”を断定しない(個人差を前提にする)
研究はあくまで集団の傾向です。
言い切らず、経過を見ながら調整します。
(3)目標は「続く頻度」に置く
WHOやACOGなどの推奨は「継続」を
重視しています。最初から強度を上げず、
土台を作ります。
7)明日から使える:30分ミニクラスの“台本テンプレ”
骨盤エクササイズの初開催は大きくやる必要はありません。
むしろ、短く・少人数・繰り返すのが上達の最短ルートです。
【30分クラス構成(例)】
1) 今日のテーマ(2分)
「抱っこで固まりやすい腰まわり」など、生活に直結する言葉で。
2) 体の使い方のコツ(5分)
専門用語より「どこに力が入っている感覚?」を共有。
3) メイン動作 2つ(18分)
1つ目:小さく動かして慣れる
2つ目:呼吸を合わせて“楽にする”
4) まとめ(5分)
・続ける頻度の提案(週2回×10分など)
・違和感があれば中止&相談先の案内
養成講座ではエクササイズテンプレートも提供しており、
学んだ動きを当てはめれば、すぐに“伝える形”になります。
8)「学びたい」から「やってみたい」へ。次の一歩
産後ケアは、情報が多い分だけ迷いやすい領域です。
だからこそ、エビデンスを踏まえたうえで
続く形に翻訳できる人が求められます。
子育て中の経験は、そのまま“指導の強み”になります。
もし興味が少しでも湧いたら、まずは講座の全体像を
確認してみてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医療行為の代替ではありません。症状が強い場合は医療機関へご相談ください。
